小さな飲食店 お客のココロをガッチリつかむ法


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麻本いをり・著 定価1470円(本体1400円+税5%) 2005年11月10日初版発行



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まえがき もくじ 本文より




まえがき



  ■はじめに■

 毎日を楽しんでいますか?
 いま、しあわせですか?
 Yes? それともNo?

 毎月のように、新しくオープンする飲食店。そのかげで、閉めざるをえないお店もあとをたちません。 喜びと情熱いっぱいでオープンしたはずなのに……。

 かくいう私も、

 「なぜ、お客さまが来ないのだろう?」
 「なんで売上が上がらないのだろう?」

 何度も、そう想ってきました。

 そして、何回も失敗を繰り返しながら、いろいろなことをやっていくうちに、わかったことは、〈すべては、とてもシンプルである〉ということです。

 売上を上げることも、お客さまが増えることも、とても簡単な法則で成り立っているのです。

 この本では、そうしたシンプルで小さな法則をお伝えしています。誰にでもできる簡単なことだけれども、効果のきちんと出るテクニックの数々です。ひとつからでもやってみてください。きっとその変化にビックリすることでしょう。

 その変化とは、売上が上がり、お客さまの数が増えて、いまよりももっとお客さまに喜んでいただけること。そして、お店の活気と、あなた自身にも、変化が表われてきます。ちょっと迷ってしまったときなどに、この本を開けば、力強い味方になれると想います。

 また、本文の下に、小さな、ほっとする言葉も載せました。ときどき、休憩してくださいね。

 さて、それでは肩の力を抜いて、いっしょに参りましょうか。
 商売繁盛。そのうえ、楽しく仕事をし、しあわせな毎日に笑顔で「Yes!」と答えるために……。



まえがき もくじ 本文より




目次




はじめに


《法則の前の法則》取りかかる前に、忘れてはならないこと
テクニック1 知識を0(ゼロ)にしてアタマの中を再構築
 ■いままで、なぜうまくいかなかったのでしょう?
 ■新しい気持ちで、テクニックを一から考える

テクニック2 視点が違うと効果なし!
 ■あなたは、どこを見ていますか?
 ■見るべき視点

テクニック3 ノートを活用する
 ■ノートを用意、とにかく書くこと
 ■言葉を組み合わせたり、ヒントにしたり
 ■思いついたら「すぐ書く」を習慣に
 ■インプットとアウトプット

テクニック4 とにかく行動あるのみ!
 ■いま、すぐにできる、小さな行動
 ■はじめの一歩を踏み出すこと


《法則1》「お店の想い」を伝える
 〜お客さまのココロをつかむために、あらゆる方法で伝えよう!〜

 《テクニックの前に》

テクニック5 第一印象で決める! 店の入り口の魅せ方はこれだけ!
 ■店の入り口は店の顔
 ■印象に残るウエルカムボードを置く
 ■ボードのまわりを演出する

テクニック6 逆に、店の入り口はひっそりとで「ビックリ効果」を狙う手も
 ■わかりにくさを活かす「ビックリ効果」
 ■まずは「料理」の工夫・研究から
 ■「最高の笑顔」でサービスを
 ■お店の隅々まで清潔に

テクニック7 お客さまの視線を追え! そこにはなにがある?
 ■食材で「普通」から「こだわり」へ
 ■飲み物への期待感を持たせる
 ■情報は何度でも伝える
 ■人を魅せる

テクニック8 プライスカードにあなたの想いを一緒に書けば、ますます売れる!
 ■読ませるメニューをつくる
 ■どうすれば「読ませる」メニューがつくれるか

テクニック9 お会計表に「ありがとう」のひとことで、お客さまのココロに残る
 ■お会計表になにを書くか?
 ■なぜ、お会計表に「ありがとう」と書くのか?

テクニック10 商品は「売る」のではなく、「伝える」
 ■「売り込み」は逆効果
 ■メニューを渡すときの声のかけ方

テクニック11 売価を上げるほうが、お客さまに喜ばれることもある
 ■売値を下げる? 上げる?
 ■本当にやりたいことをするための値段へ
 ■売値を上げることの意味
 ■どうやって売値を上げるか

テクニック12 モノを売るな、人を売れ! だけど、人を売っただけでは不十分
 ■あなたとお店のファンになってもらうために
 ■人を売るだけではお客さまはお店に来ない

テクニック 「モノ」と「人」はセットで売る! 最強ツールは「パンフレット」
 ■「モノ+人」を考えてみる
 ■パンフレットはあなたのお店の情報誌
 ■パンフレットが「クチコミ」の流れをつくりだす

テクニック13 手渡しの「おたより」でお客さまのココロをつかむ
 ■なぜ「おたより」なのか?
 ■なぜ「手渡し」なのか

テクニック14 店内に心地よさをつくれ! 五感で感じるものを大切に
 ■五感で感じるものとは?
 ■音の工夫
 ■空気・空調
 ■匂い・香り

テクニック15 思いやりは当たり前? あなたは常にできているか
 ■おもてなしのココロ
 ■当たり前の思いやりとは

テクニック16 ココロからの笑顔で、お客さまは一瞬にしてあなたのファンになる
 ■顔の表情で伝わること
 ■笑顔を鍛える
 ■あなた自身が最高のお客になること


《法則2》紹介が紹介を呼ぶ! クチコミでお客さまを増やす方法
 〜無理な集客は身の破滅。クチコミでお客さまの流れをつくる〜

テクニック17 大切なのは「流れをつくる」こと
 ■クチコミの流れって?
 ■クチコミをしたくなる「3つの満足」
 ■クチコミの広がり

テクニック18 「どなたかのご紹介ですか?」のひとことでクチコミがスタート
 ■クチコミが始まるひとことは?
 ■クチコミスタートへのタイミング

テクニック19 「いつもありがとうございます」のひとことを忘れずに!
 ■再来店のお客さまには、この言葉
 ■お客さまにかける言葉いろいろ
 ■もし前回の来店時のことを覚えていたら

テクニック20 イメージカラーと店名刺でお客さまの記憶にインプット
 ■名刺の持つ意味
 ■イメージカラーを考える
 ■目的別に店名刺を考える

テクニック21 クチコミの流れをつくるのは実は簡単
 ■クチコミの流れ、ル・シェノン風
 ■パンフレットによるクチコミが流れ始めると

テクニック22 「パンフレット」をつくってみよう!
 ■素材の用意
 ■素材を「パンフレット」のかたちに組み立てる
 ■パンフレットは手づくり?

テクニック23 クチコミツールとして「ニュースレター」をつくる
 ■誰にでも書ける「ニュースレター」づくりのステップ
 ■ニュースレターの内容

テクニック24 クチコミの流れをつくったそのあとは
 ■広告宣伝はイベントと絡めて
 ■受け入れ態勢を万全に整えることが重要
 ■次につなげるには


《法則3》お客さまに愛される
 〜お客さまを確実にリピーターにする、魔法のテクニック〜

 《テクニックの前に》

テクニック25 最小費用で最大効果! 50円のハガキでできること
 ■最小の努力で最大の効果を

テクニック26 ちょっと待って! ハガキテクニックを使う前の注意点
 ■まずは、いい関係を結んでおくこと
 ■愛される店になるための10か条

テクニック27 きれいな絵はがきを送ると捨てられない
 ■せっかく送っても捨てられたら意味がない
 ■季節と目的に合わせて絵はがきを変える

テクニック28 ハガキは手書きで、宛名も手書きで
 ■他店のやらない“ひと手間”が感動につながる
 ■手書きにしたほうがいいところ

テクニック29 ハガキにはこれを書く!
 ■「来てほしい」という気持ちを書くのだけれど、工夫が必要
 ■4つのことだけ書けばいい

テクニック30 お礼状で「忘れられない店」になる
 ■お礼状でお店を「繰り返し体験」する
 ■お礼状にはどんなハガキを使うか
 ■お礼状の文章

テクニック31 感謝の気持ちを伝えることで、お客さまのココロをつかむ
 ■ありがとうカードをつくる
 ■プレゼントを感謝のかたちとして使ってみる

テクニック よく来てくださる方へのお礼状、そのひと手間が来店回数を増やす!
 ■季節に応じた絵はがきを送る

テクニック32 お客さまへの接触回数よりも、接触するタイミングが大事
 ■飽きられず、慣れられず、忘れられずのタイミング
 ■変化を工夫してマンネリにならないように

テクニック33 季節のハガキの書き方
 ■挨拶・近況・気遣い・ココロの四部構成に

テクニック34 季節のハガキは常連さんに!
 ■ハガキに反応して来てくれるお客さまとは
 ■来ない方は来ない
 ■常連とは、どういうお客さまか

テクニック35 飽きられない工夫をする
 ■セットで魅せる
 ■イメージで魅せる

テクニック36 顧客名簿のつくり方
 ■十分なサービスのために絶対必要
 ■お客さま帳形式
 ■カード形式
 ■ポイント形式

テクニック37 顧客名簿の効果的な使い方
 ■確実に結果が出る使い方とは
 ■優先順位でコミュニケーションをとる


《法則4》お店の態度を決める
 〜お店の態度をハッキリ決めれば、お客さまは必ずついてくる〜

 《テクニックの前に》

テクニック38 顧客満足など考えなくていい
 ■顧客満足よりも、引き込めるパワーを
 ■あなたの個性が軸になる

テクニック39 あなたの想いがお客さまをつくる
 ■あなたの想いがわかる、3つの質問
 ■あなたの大切な想いが「ミッション」になる

テクニック40 あなたのお店のミッションはなんですか?
 ■「ミッション」はあなたの「芯」になる
 ■ミッションを決める最後の質問
 ■提供できるものを考える

テクニック41 サービスは「愛・感謝・一期一会」で
 ■かたちの「テクニック」、ココロの「サービス」
 ■サービスにおける「愛」とは
 ■サービスにおける「感謝」とは
 ■サービスにおける「一期一会」とは

テクニック42 モチベーションの維持はできていますか?
 ■モチベーションを維持するためには
 ■休むことも大切なこと

テクニック43 小さなお店のインターネットの活用方法
 ■ホームページの活用
 ■ブログを活用してみる

テクニック44 毎日が学び
 ■成長は日々のなかでできる
 ■学ぶ・成長するためにできること
 ■サービスには「生き方」が出てしまうもの

テクニック45 そして、続けること
 ■楽しんで続けられるように

テクニック番外編 プロとして仕事をする



まえがき もくじ 本文より




[《法則の前の法則》取りかかる前に、忘れてはならないこと]より



★テクニック2★
視点が違うと効果なし!



●あなたは、どこを見ていますか?

 スタートラインが違うと、結果も違ってきます。だからこそ、最初に大事にしなければならないことがあるのです。まずは「視点」を考えてみましょう。

 あなたは毎日、どんなことを考えてお店をやっていますか?

 「もっと売上を上げるには、どうしたらいいんだろう?」
 「もっと客数を増やすには、どうしたらいいんだろう?」
 「今日の売上は、どれくらいだろう?」
 「なんかいいアイデア、ないかなぁ?」
 「すぐに売上が上がる方法が見つかればいいのに」

 こんなふうに考えてはいませんか? 客数を増やすことと、売上を上げること。それと、メニューのこと。それを主に考えていると思います。

 でも、そこを見ているから、売上が上がらないのだとしたら?

 「そこを見ないで、どこを見るんだよ」

 そんな声が聞こえてきそうですね。

●見るべき視点

 商売をやっているのですから、売上は大事です。飲食店ですので、メニューも大事です。一品一品のメニューは、あなたの大切なお店の商品ですから。

 でも……。

 売上は、誰からもたらされるのでしょう?
 そのメニューを食べるのは、誰なのでしょう?

 そうですね。お客さまです。お客さまのことを忘れてはいませんか?

 あなたがいちばん大事にしなくてはいけないのは、「あなたのお客さま」です。いま目の前にいらっしゃる、あなたのお客さまです。これを、どうぞ忘れないでいてください。これから先に読み進むときにも、毎日の仕事のときにもです。目の前の「あなたのお客さま」に視点を合わせて、やっていきましょう。

 それと、もうひとつ。お客さまに視点を合わせていると、そのテクニックを使う目的がはっきりします。

 「なぜ、これをやるのか?」
 「なんのためにやるのか?」

 ここが、はっきりするのです。

 やみくもにテクニックを使うのではなく、目的をはっきりさせることで、流れができてきます。「流れ」というのは、お客さまに視点を合わせて、持っているテクニックを使うということです。

 たとえば「なぜ、これをやるのか?」が「お客さまに喜んでもらうため」だとすると、「なんのためにやるのか?」は「(お客さまに喜んでもらい)また来ていただくために」ということです。

 つまり、

 視点をお客さまに合わせてテクニックを使う→お客さまが喜んでくださる
 →また来てくださる→売上が上がる!

 これが、視点をお客さまに合わせてテクニックを使ったときの「流れ」なのです。

 このように考えて、テクニックを使う。ひとつの「流れ」をさらに次の「流れ」につなげるように、また別のテクニックを重ねていく。それが大切です。

 たとえば、喜んでくださったお客さまに、今度は感謝のココロを届けるテクニックを使えば、あなたのお店はお客さまにとって「忘れられない店」になっていきます。

 これを重ねることで、ひとつひとつのテクニックがばらばらではなく、すべてがつながっていきます。こうしてテクニックが「流れ」でつながってくると、今度はお客さまの「流れ」ができてくるのです。

 テクニックを通して、お客さまの行動を誘導すること。これがお客さまの「流れ」です。

 お客さまに視点を合わせ、お客さまにどう想っていただきたいのか、その結果どういう行動を起こしてもらいたいのか、ということを常に考えることが大切なのです。



ページ見本



[《法則1》「お店の想い」を伝える]より



★テクニック5★
第一印象で決める! 店の入り口の魅せ方はこれだけ!



●店の入り口は店の顔

 お店の入り口は、そのお店の顔です。とくに路面店の場合、お店の入り口には、お客さまを誘導する役割があります。第一印象がここで決まるといっても、過言ではありません。

 ですので、まず足を止めてもらい、「なんか、いい店みたい」と思っていただきましょう。

 人間もそうですよね。第一印象は大事です。あなたは、初めて会った人のどこを見ますか? 顔ですよね。明るいか、暗いか、イキイキしているか、元気か。

 お店の入り口も同じことです。

 あなたのお店の入り口には、なにがありますか?
 それを見て、お客さまは足を止めてくださるでしょうか?
 あなたのお店の入り口は、魅力的だと思いますか?

 お客さまに来店してもらうには、お店の入り口で足を止めてもらい、店の中へ入っていただかなくてはなりません。そのためには、なにを、どう置いていけばいいのか、考えてみましょう。

●印象に残るウエルカムボードを置く

 お店の入り口に置くものは、路面店の場合、「ウエルカムボード」がもっとも効果的です。ここでいう「ウエルカムボード」とは、たんなるメニューボードのことではありません。

 ふつうのメニューボードには、メニュー、値段、営業時間などが書いてあるだけです。どこのお店も、同じことをしています。みんな、お昼時になると、店の前にメニューボードを出しています。

 人と同じことをしていても、目立ちませんね。ちょっと工夫して、できるだけ印象深いものにしていきましよう。

 そこで登場するのが「ウエルカムボード」なのです。

 「ウエルカムボード」は、初めてお店の前を通りかかったお客さまにも、あなたのお店のことがよくわかるもの、「どうぞお入りくださいね、お待ちしております」という気持ちが伝わるもの、でなくてはなりません。

 では、ウェルカムボードになにを書けば、お客さまに気持ちが伝わるのでしょうか。

(1)お店からのメッセージを書く

 簡単にいうと、「あなたのお店の売りはなにか?」を書こう、ということです。あなたがこだわっているところ、メニューの特徴、食材の情報、おすすめのもの、あなたのポリシー、ミッションなどを書きましょう。

 たとえば、カフェの場合。

 「ここには、豆の煎り方にこだわったコーヒーがあります。ほかでは味わえない香りの高いコーヒーで、ゆっくりとした時間をお過ごしください」

 こんなふうに書かれてあったら、コーヒー好きの方の目をひくでしょう。ゆっくりしたい人にも有効かもしれませんね。

 また、レストランでしたら、

 「新鮮な、産地直送のお野菜たち。ビックリするほど味がしっかりしています。そんなお野菜たっぷりのメニューを召しあがってください」

 などと書いてみると、ヘルシーな感じですね。健康に気をつけている人にとっては魅力的です。

 ウエルカムボードにまず書くことは、「あなたのお店の特徴、あなたの想い」です。

(2)メニューと値段を書く

 メニューは必要です。全部は書けなくても、そのときにおすすめのものを書いてください。この店では、なにが食べられるのか、飲み物はなにがあるのか。

 そして、その値段も知りたいものです。とくに、初めて来店するお客さまの場合は、値段が書いてあることで安心感を持ちます。

(3)提供できるものを書く

 スペースに余裕があれば、あなたのお店が提供できるものを書いてください。たとえば、お持ち帰りができるものがあるなら、それを書くのもいいですね。

 おすすめのものだけでなく、ほかにはなにがあるのか、わかりやすくすることで、お客さまの安心感につながります。

 それと、「ウエルカムボード」は、お客さまの視線がちょっと下向き加減になる高さに置いてくださいね。胸の高さくらいがちょうどいいかもしれません。人は、歩くとき、少し下向き加減でしょう? ふつうに歩いているときに眼に入ってきやすい位置に置きましょう。

●ボードのまわりを演出する

 ウエルカムボードを置いたら、そのまわりの演出も考えましょう。

 店内の雰囲気が出るように、観葉植物を一緒に置いたり、お花の植木鉢を置いたり、小さなテーブルを出したり。夜ならば、キャンドルを置いて火をつけておく、という演出も考えられますね。あなたのセンスで、工夫してください。

 ただし、ウエルカムボードより目立ってはダメですよ。あくまでも、まわりとの調和、お店との調和を大事にしてください。

 また、ウェルカムボードを置いたら、実際に自分でお店の前を歩いてみて、違和感はないか、心地よいか、目につくかどうかをたしかめることが大事です。ただ入り口の外に出て、立って眺めるのではだめですよ。お客さまと同じように、少し離れたところから歩いてきて、ボードが心地よく目に入るかを見てみましょう。

《テクニック5のまとめ》
◆店の入り口は店の顔、大事にしよう。
◆ウエルカムボードでお客さまの足を止めさせ、店内へ誘導。
◆ウエルカムボードに書くことは、「店の特徴、あなたの想い」「メニューと値段」「提供できるもの」
◆ウエルカムボードのまわりの演出もセンスよく工夫して、アピールしよう。



ページ見本



[《法則2》紹介が紹介を呼ぶ! クチコミでお客さまを増やす方法]より



★テクニック19★
「どなたかのご紹介ですか?」のひとことでクチコミがスタート



●クチコミが始まるひとことは?

 ル・シェノンは予約制ですので、ご予約のときに、初めてのご来店か再来店かがわかります。そして、初めてのご来店の方には、このようにご挨拶をします。

 「ようこそ、いらっしゃいました。どなたかのご紹介ですか?」

 この挨拶には、2つの意味が含まれています。

 ひとつは、遠いところをご予約という手間をかけて来てくださったことへの感謝の気持ちを込めて「ようこそ、いらっしゃいました」。もうひとつは、どうしてル・シェノンを選んでくださったのかを確認するために「どなたかのご紹介ですか?」とおうかがいします。

 はじめは、このふたつの意味を込めてご挨拶していましたが、ある日、このひとことがクチコミへのスタートになっていることに気づきました。

 最初に「どなたかのご紹介ですか?」と問われると、お客さまは「この店は、紹介でなくちゃダメなのかな?」「この店は、紹介のお客が多いのだな」と思ってくださるようです。そして、紹介が多い店なら安心であると感じ、自分も誰かに紹介できるかもしれないと思ってくださいます。

 本当に簡単なひとことなのですが、このひとことがあるかないかで、クチコミの流れの速さが違ってくるのです。

 「わたしの店は、予約制ではないから……」と思う方もいらっしゃるかもしれません。でも、声をかけるタイミングを考えることで、どんなお店でも「どなたかのご紹介ですか?」のひとことをかけられるようになります。たとえば、どんなタイミングが考えられるでしょうか。

●クチコミスタートへのタイミング

 予約制のお店の場合は、ご予約の電話を受けたときに、「初めてでいらっしゃいますか?」と聞いてください。そうすれば、初めてか、再来店か、事前にわかりますね。そして初来店のお客さまが来られたら、「ようこそいらっしゃいました。どなたかのご紹介ですか?」とご挨拶してください。

 予約制でないお店の場合は、お客さまをテーブルにご案内したとき、注文をうかがうとき、お食事が終わってくつろいでいらっしゃるとき、あるいはお会計のときなど、声をかけやすいときでいいですから、お客さまがふっと一息つかれるタイミングを見はからって、「今日は、初めてですか?」と聞くといいですね。そして、もし初めての場合は「どなたかに、ご紹介いただけたのですか?」とおたずねしてみましょう。

 「どなたかのご紹介ですか?」は、お客さまとのコミュニケーションへの入り口になります。そして、お客さまとお店(あなた)とのコミュニケーションは、お客さま同士のコミュニケーション、つまりクチコミへの入り口となるのです。恥ずかしがらず、お客さまへの感謝と愛情を持って、おたずねしてみましょう。

 この問いかけに対するお客さまの回答は、おおまかに2通りに分かれます。誰かに紹介を受けた場合と、なにかを通じてご自分で見つけてくださった場合です。

 たとえば、「○○さんに聞いたから」とお客さまがおっしゃいました。あなたなら、どう答えますか? お友達の方などに評判を聞いて、来てくださったのですから、「ありがとうございます。ご来店くださってうれしいです」と、まず感謝の言葉を伝えてくださいね。そして、「○○さん」が何度も来店されている常連さんでしたら、「○○さんには、いつもよいお客さまを紹介していただいて、本当に感謝しているんですよ」や「またおいでくださいと○○さんにお伝えください」など、常連さんでない場合でも「ご紹介くださった方にも、よろしくお伝えください」といったひとことを添えたいところです。

 ご紹介でなかった場合、たとえば、情報誌などを見て、来てくださったお客さまには「ありがとうございます。たくさんお店が載っているのに、うちを選んでくださってうれしいです」などと答えられますね。たまたま店の前を通りがかって来店されたというお客さまにも同様に、「ありがとう」の気持ちと、「たくさんのお店があるなかから当店を選んでくださってうれしい」という気持ちを伝えましょう。

《テクニック19のまとめ》
◆クチコミのスタートは「どなたかのご紹介ですか?」から! 初来店のお客さまに、まずひとこと声をかけよう。



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──続きは書籍でお読みください──




まえがき もくじ 本文より




麻本いをり(あさもと・いをり)
香川県在住。京都女子大学短期大学部で食物専攻。
フランス料理店「ル・シェノン」マダム。
OLやサービス人としての経験ののち、27歳でフレンチレストランを独立開業。2001年にル・シェノンを移転オープンする。10年以上マダムとしてお客さまに接する日々のなかで、人や自然と呼応しながら、その想いをことばというかたちにしてゆくことをライフワークとしている。




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